今年はホラー以外も観ていこうよ、ということで金カム観た【2024年1月4週】

ここ5年くらいホラーしか摂取していないような気がする。
最近買った本の背表紙が大体黒い。大半が角川ホラー文庫で構成されている。

 

ホラーは好きだが、得意ではない。普通に怖い。
自分はいわゆるジャンプスケアと呼ばれる唐突な驚かしよりも、じわじわ呪いじみた恐怖の方が強く残る。
かといって、鑑賞者に呪いが伝染するタイプのホラーはそこまで真に迫って怖がることができない。
あれ? 何が怖いんだろう? 結構怖がりの自負があったのだが分析していくと分からなくなっちゃうな。

 

怖かったな~と思う作品を上げていけば恐怖のルーツに辿り着けるのだろうか。
ヘレディタリー/継承はやはりトップクラスだが、どちらかというと不快感ポイントの方が高かったかも。
ライト/オフはある意味で鑑賞者に呪いをかける話なので直後は怖かった記憶があるな。
LOFT ロフトみたいな飾り気のない映像は正直一番嫌かもしれない。職人が握る寿司みたいな朴訥な怪異、怖い。

 


映画だと思い出しながら羅列できるが、本に至っては怖かった記憶がほとんどない。
強くない? 自分、ホラー平気かもしれないです。

 

子供の頃から、確実にこれだけは無理ですというジャンルがあって、それは「音も無く、生白い女の顔が無表情でこっちを見ている」というシチュエーション。
暗がりに首だけがぽっかりと浮かんでいる、または置いてあるイメージ。
幸いにもそんな体験をしたことはないが、これが起こったらホラーなんて趣味はもうやめます。
見たことがないのに何故か脳裏に焼き付いている、何が元ネタなんだろう。

 

子供の頃からホラーとミステリが好きだったので、近年のホラーミステリブームがめちゃくちゃ嬉しい。
全員前ならえで雨穴と背筋の真似をしてくれ。「こういうの売れるんでしょ笑?」って調子に乗ってくれ。
こんなんなんぼあってもいいですからねぇ! 人類総出でこのジャンルを舐り尽くしましょう。
映画「変な家」……ですか? うーん……観には行かないかな……多分。

 

タイトルに戻る。変な家を観に行く気がないのに金カムは観てきた。
ここ最近の劇場公開で観たい映画が山ほどあったのだが(トットちゃん、首、ゴジマイ、カラオケ等等)腰が重くて動けず、金カムも正直配信待ちでいいかなと思っていた。
だらだら過ごしていた自宅療養明けに実家の弟から「金カム行こう、今日仕事終わり迎えに行きます」と連絡があり、有無を言わさず観る羽目に。
持つべきものはフッ軽の知り合い、一人では何も成さない。

 


ここから下は映画ゴールデンカムイの内容に軽く触れるので、何の情報も入れたくない人は見ないでください。
筆者は原作を読了していて、人並み程度に原作漫画が好きなオタクです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそも映画金カムの予備知識が全くない状態で鑑賞したので、第一印象は「再現度スゲぇー!!」だった。
お前と違ってみんな予告編とか見てるからそれは知ってるんだよ。
実写化にいい思い出があまりなく、「公式許諾人気俳優コスプレご披露映像」みたいなイメージしかなかったので、ちゃんと原作のことを考えたキャスティングが嬉しかった。
スタッフロールで初めて気づいた有名俳優とかもいたし。皆さん井浦新に気づけましたか? 私は未だに狐につままれた気持ちでいる。

 

第二印象は「進むの遅ぇー!!」。原作で言うと三巻、辺見登場前まで。
原作知識がない人も見に来るから丁寧にやっていて好感が持てるのだが、それにしたってあと10本撮る気か?
次作はもう計画がありそうな終わり方だった、つまり次で辺見、家永、江渡貝の三狂が一気に出てくることになる。
丁寧に獲得した新規顧客が三狂にふるい落とされるところ、見たくないと言ったら嘘になるな。
しかも今新しくハマった人がアニメで履修すると、終着点は精子探偵らしい。可哀想。

 

あとは、「羆怖い」。理不尽で成す術のない羆の脅威が、ちょっとやりすぎじゃんと思うくらい怖さ増しで表現されている。
あとは「玉木宏ありがとう」。やたら実写化で引っ張られることが多い玉木宏に釈然としない気持ちでいたが、今回は完璧キャスティングだった。イケメン枠以外もいけるのかよ……。
あとは「画になる」。一見しただけだが、どこを切り取っても粗の見えない撮り方だったように思う。衣装や背景も、原作を尊重しつつ三次元に落とし込んでいてかなり見事の部類では!?
あとは「今後に期待……できるかも!」。かなりバイオレンスな部分にも力を入れていて、これなら次作以降も大幅な路線変更をせずに原作準拠でやってくれそう。団子のシーンの気迫でそう思えた。

 

 

褒め言葉だけ抽出して感想を書いているのでこれが全てではないが、総括すると実写化最高レベルの原作リスペクトがあってファンでも安心して見れると思った。
誰だって厭だもんね、知らんオリキャラ、謎の恋愛要素、浮いてる衣装、だっせぇCG……ウッ古傷が……。

 

 

ホラー以外を観ても、まだ自分の感受性は捨てたもんじゃないという赦しを得られていいな。
自分のことをホラーでしか感情を動かせないホラーマンだと思い込んでしまっていた。ホーラホラホラ。
今年はホラー以外もちゃんと摂取していこう。(今年は今年はってそればっかり、上半期ずっと言い続ける気かもしれない)

 

 

あ、本は忌名の如き贄るものを読了した。いつもの。安定して美味いやつ。これ好き。
次は積みっぱなしの短編集、超怖い物件を読もうと思っている。
ホラーばっかりじゃねえか!!!!

 

 

いつもの片割れ、note。

note.com